夏休みには缶詰の雨が降った~!?

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50年前の看護学生の時のお話の続きです。

入学から4か月、初の夏休みです。
それに伴い、6月初旬に「缶詰の注文」がありました。

「注文」というからには当然、代金を払う買取りだと思ったのです。
缶詰なんて欲しくもないし、それに代金なんて支払えないわ、と
思案していると、同室の上級生が説明してくれました。

夏休みの間は寮に残っても差し支えはないけれど、大抵は
帰省してしまう。
となると、本来は提供される食事が出なくなる。

そこで、その分の費用を缶詰を出すことで補填してくれるんだって。
「へ~ぇ、そうなんですか」と、注文票を手に取りました。

缶詰にはいろんな種類があって、みかんや桃、あるいはさんまやさばの
甘露煮とか。
田舎娘の私には口にしたこともない、まぶしいような、あこがれのような品々。

1日の経費に休日の日数をかけたのが補填金額だから、
なるべくならうまく計算して品数を組み合わせるのが技術だと、
これまた上級生の御指南。

入学以来、分からに事が幾つか出てくるたびに、上級生が教えて
くれるのは、1つの部屋に学年の違う(つまり寮生活の経験が異なる)者が
いることの便利さを気づかせてくれました。

部屋に2人も上級生がいて、うっとおしいことが多いのは確かだけど、
助かることも多々あったのです。

さて、7月初めに注文通りの缶詰が部屋に届きました。
畳のうえに広げると、その多いこと、重いこと。
これらを寮に在留して平らげる学生もいれば、故郷に送る人もいるって
ことも知りました。

私は実家に送ることに。

上級生が調達してくれたミカン箱にうまく詰めて、送りました。
さぁ、どんな方法で送ったのかは覚えてないのですが。

家に帰って2日後に荷物が着きました。
家人たちは木箱を覗いて仰天。
こんなに「高価」でめったに口にできない物が目の前にあるんですから。

「おまえは親孝行者じゃ」と喜ぶ祖母を目の前にして、
お金のいらない看護学校に入ってよかった、と思ったことでした。

あなたに合った学校が見つかりますよ。


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